2006年07月13日

ローズ・イン・タイドランド

 ローズ・イン・タイドランド

 ストーリー   
 「不思議の国のアリス」を愛読するジェライザ・ローズ、十歳。彼女の日課は両親の「世話」。具体的に言うと、元ロックスターのパパがクスリで「バケーション」することのお手伝い。すっかり太ってしまったママの脚をマッサージ。
 パパはお気に入りの「ユトランド」の地図を前に今日も「バケーション」。旅から戻ると寝ているローズを揺り起こし、二千年以上も地底で眠り続ける「沼男」の話をする。翌日、クスリのやり過ぎでママが亡くなる。ママを盛大に送り出したあと、パパとともにローズは旅に出る。「ユトランド」を目指して。



 監督、テリー・ギリアムは現実とメルヘンの地続きを描く作家さん。SF、ファンタジー、アクション、サスペンス、ホラー。映画館には浮世離れした話がザラにあるけれど、ギリアムさんの作品の特徴はその境界を強く意識させるところある。

 タイドランドは干潟の意。大地と海の間。

 現実もメルヘンもそれ単体で終わらない。現実がメルヘンを生み、メルヘンに生きることで現実に若干の影響を与える。ただ、当然のことだが、ありきたりな思念ではその境界を行き来できない。主たるキャラクターは強力な思念の拠り所を持つ者である。偶然、とばっちりのケースもあるが、彼らが立った地点はちょうど境界線上で、僕たちが立ち入れない場所である。(実際に行き来できる人は保護者同伴で病院へ行こう!)

 だから、彼らを観ているだけで、面白い。彼が何を避け、何を求め、何に壁を感じるのか?体感することは無いけれど、これらの問い掛けは僕たちの心の中にもあることだから。

 登場人物が境界線を易々と行き来することに違和感を覚えるかもしれない。けれど、その引っ掛かりこそが彼の作品の印象になる。逆にいうとあって当然。だから、憐れんだり、呆けたりしなくていい。登場人物は立派に生きている。

 大入り満員、立ち見も出た上映の客層はほとんどが女性。期待していたモノとは少々違ったみたいで、フラフラとその場を離れていった。

 ギリアムさんの映画は明るいメルヘン、暗いメルヘンと大抵しっかり分かれるのだけれど、本作はどうだろう?今までの作品は多分暗い方が多い。けれど、本作は簡単に識別し難い。人による、だろうか?

 「サイレント・ヒル」でも娘役で良いトコを持っていったジョデル・フェルランドが主演。映画を観て、「これは彼女しかできない演技だ」と認識した。人形の頭を指人形に見立てての一人芝居は天才子役ダコタちゃんにさえ不可能に思える。
posted by ねこめ〜わく at 23:27| Comment(0) | TrackBack(2) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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「ローズ・イン・タイドランド」
Excerpt: (C) 2005 Recorded Picture Company Limited and Capri Films Inc. All Rights Reserved. しなれば折れない。譲るば..
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Tracked: 2006-07-15 15:49

「ローズ・イン・タイドランド」現代のおとぎ話は甘くないのだ
Excerpt: 「ローズ・イン・タイドランド」★★★ ジョデル・フェルランド、ジェフ・ブリッジス 主演 テリー・ギリアム監督、2005年、イギリス、カナダ 主人公の少女は 「不思議の国のアリス」が好きな ..
Weblog: soramove
Tracked: 2006-08-04 10:56
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