2006年10月04日

魔女

「魔女」
1921年製作、スウェーデン作品。監督、ベンヤミン・クリステンセン。

DVDジャケット引用
クリステンセンはここに普通の物語映画とも記録映画とも異なる、前例のないような種類の映画を作った。映画はまずあたかも大学における講義のように、古代世界における宇宙観、中世における悪魔や魔女について解説を試みる。それに続いて劇仕立てで中世の魔女の活動、魔女裁判などを見せる。映画の後半では舞台は現代(1920年頃)に移り、現代のヒステリー症の女性と中世の魔女との類似について解説が加えられる。



この映画がすべて正しいかどうかは分からないが、いくつかの根本的な謎について答えを示してくれている。

魔女が老婆の格好をしているのは何故か?
 
証言として残る悪魔との契約、儀式が突飛〔馬鹿げている〕のは何故か?

生産性の欠片も無い魔女狩りという行為が何故、社会のシステムとして運用されたのか?


「状況さえ認識できれば簡単に答えられること」なのだが、どうだろう?(推理小説の答えを知ってから読んでいない人に訊ねるようで意地が悪いが、シンプルで論理の筋道がしっかりした良問を目にすると、聞いてみたくなるのが人の常というもの。ご容赦願いたい。)僕はこの映画を観て「あぁ、そういうことか」と納得したのだが、頭の良い人なら分かっていることかもしれない。

この映画は最初から最後まで抑え目の演出で煽りが無いのだけれど、結果的にキリスト教の負の側面を描く格好になったから、ドイツやフランスでは1920年代半ばまで、アメリカでは1930年代になるまで、公開されなかった。「ホテル・ルワンダ」、つい最近の「太陽」、これから公開される「アブダクション」もそうだけど、商業はタブーとの食い合わせが悪い。

歴史があるのだからその当時の野蛮な風習を受け持つ可能性も無数にある。現在の人間が過去をとやかく言っても始まらないが、歴史を知り、そこから学ぶことは何より大切だと思う。対象になった舞台も、作られた時代も、随分と古いが、この映画は少しも古びていない。この映画に含まれる寓意は現在にも通用する。
posted by ねこめ〜わく at 22:11| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは〜。だいぶん前に私のブログにコメいただいた者です。その節はありがとうございましたm(_ _)m実は、私はご承知のとおり「ルールが大嫌い!」とのブログで北海道庁を含む役所批判・政治批判・行政批判をしてきたのですが、良心の呵責から"実名公開"に踏み切ったところ、人事当局から「実名によるブログの公開は懲戒処分の対象とする!」(→未だに意味不明…)との指摘となりまして、その後もしばらくしらばっくれて、実名だけを削除して運用をしてきました。しかし、自己の所属する組織をあからさまに批判しながらも、比較的付き合いやすい上司にも恵まれていたことから、ブログの内容を全て削除・更新し、上記アドレスのとおり…これまた小難しいブログを再生した次第です。
本日、自宅のメールを整理していて気がつきました。この場をお借りして、謝罪いたしますm(_ _)mスンマソン‥
長くなりました〜映画のことはトップ記事にコメントさせていただきます。

Posted by haru at 2006年11月28日 10:33
 haruさん、コメントありがとうございます。このところ、私事で忙しく、blogのチェックが滞っておりました。返事が遅れてしまい、申し訳ありません。

 役所に勤めている方による役所批判というのもアリだと思うのですが、実名公開による批判がアウトだとは知りませんでした。むしろ、文責を伴っているように思えるのですが、役所には役所の論理があるということでしょうか。ともかくも、理解のある上司がいるというのは良いことですね。

 新生ブログの更新、楽しみにしております。
Posted by ねこめ〜わく at 2006年12月04日 21:59
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